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海外の小麦粉事情(1)。『plain flour』は薄力粉ではない

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はじめに

日本からオーストラリアへ留学したのが約10年前のことでした。

もともと料理やお菓子、とくに小麦粉を使ったベイキング(baking)が大好きだった私は、留学の滞在先でももちろんスコーンやパウンドケーキ、ホットケーキ(パンケーキ)を食べたくなって作ることがあったのですが、オーストラリアで初めて作った得意のカトルカール(Quatre-Quarts)、通称パウンドケーキがいつもどおりふんわり焼けずにショックを受けたものです。

 

パウンドケーキとは

カトルカールはフランス語なのでちょっとおしゃれな響きがあるな~とフランス語に疎い私はいつも思ってしまうわけですか、このカトルカールはQuatre-Quarts=四分の四と言う意味のフランス語で『卵、バター、小麦粉、砂糖』の四つを同じ同じ量混ぜ合わせて焼いたケーキと言う意味。英語名のパウンドケーキも由来は同じで『パウンド』は重量の指標で1パウンド=450gになります。この450gを4で割るとだいたい112gになるのですが、この110g前後ってだいたい卵2つ分の重さと同じなんですよね。なので、卵2つに同じ重さのバター、小麦粉、砂糖を混ぜ合わせて焼くと大体450gになり、パウンドケーキと呼ばれているいるわけです。

最近ではパウンドケーキもこの『重量としてもパウンド』から意味が外れて、パウンドケーキの型で焼いた焼き菓子全体を『パウンドケーキ』と総称して呼んでいますが、本当のパウンドケーキには牛乳やクリーム、ましては膨らし粉(ベーキングパウダーや重曹)などは使われていません。バターに砂糖をすり混ぜていくときに含まれる空気の力のみで生地を膨らますのが特徴なので、この工程を手抜きしてしまうと上手に焼くことはできません。

シンプルだからこそ、材料の質や鮮度、そして作り手の丁寧な作業が求められるお菓子です。

 

引っ越したらまず焼くお菓子

パウンドケーキは上でも書いたとおり、たった4つの材料でできてしまうシンプルなお菓子です。なので、私は引越しをするとまずはこのパウンドケーキを焼いて、新居のオーブンの焼き癖や温度の上がり具合をチェックするようにしています。

ですので、10年前にオーストラリアに来たときも同じように、『パウンドケーキ』を焼いたわけです。

スーパーで材料を探したとき、卵とバター、砂糖はすぐに見つかりました。ところ日本で言う『薄力粉』とマッチしそうな小麦粉がすぐには分からず、『plain flour』がきっと薄力粉と同じだろうと言う結論に達し、これを買って帰りました。横に並んでいた 『self-reising flour』は原材料を見てみると、小麦粉に膨らし粉が混ぜてある粉ということが分かったので選択肢から排除することができました。

 

そしていそいそと焼いたパウンドケーキ・・・

オーブンの癖をチェックするはずが、完成したパウンドケーキはいつもよりもふくらみが悪く、ふんわりと言うよりはややもっちりとした印象。二日ほど寝かせてみたけれど、やはり日本でいつも焼いていたパウンドケーキとはだいぶ違う表情のパウンドケーキになってしまったわけです。

 

さっきも書いたとおり、パウンドケーキは空気の力で膨らませるケーキですの、もしかたら今回に限ってあの工程が足りなかったかしらと・・・そんなわけないな~と思いつつ、気を取り直して、今度こそ基本に忠実にパウンドケーキ作りに再チャレンジしたわけです。

砂糖も小麦粉もきちんとふるいにかけて、バターと卵は室温に。

バターをクリーム状に練ったらそこに砂糖を少しずつ加えて白くふわふわのバタークリームになるまでしっかり攪拌する。

砂糖のざらつきも感じられないくらいしっかりと混ぜたら、そこにほぐした卵を3-4回に分けて加えてはしっかりと混ぜ込んでいきます。

このように、全工程を初心に戻っておさらいするようにたどっていったのに、二回目に焼いたケーキも理想どおりの出来とは言えず、やはりのあのふわっと軽いパウンドケーキの食感とは違う残念なものとなりました。

 

日本と薄力粉となにが違う??

得意のパウンドケーキが上手に焼けない・・・でも、焼き方が間違っているとは思えなかったで、きっと材料が違うのかも・・・

そもそもこの『plain flour』は『薄力粉』なのか?という疑問がふつふつとわいてきました。

そして、スーパーの小麦粉売り場で小麦粉たちとにらめっこしながら、小麦粉のグルテンの量、ここでは『protain』と記載されていますが、この量が日本の薄力粉のものよりも多いということに気がついたんです。

つまり、この『plain flour』は日本で言うところの中力粉に相当する粉だったわけです。

となると、薄力粉はいったいどこにあるのでしょうか?

 

残念ながら、オーストラリアでは薄力粉という名称では一般のスーパーでは売られていませんでした。

その代わり、スポンジケーキ用の粉とかスコーン、クッキー用の粉と言った具合に小さなパッケージに入って売られていました。

こういった粉の原材料を見てみると、plain flourに膨らし粉以外に米粉やタピオカ粉が加えられて、口当たりが軽く焼きあがるように配合が調節されているんですね。

 

日本でも、スポンジケーキの口当たりをよくするために、薄力粉に片栗粉などを少量足してグルテン量を調整したりしますがあれと同じ考え方です。

 

薄力粉を手作りしよう!

そして、どうやらこのオーストラリアはケーキやマフィンをはじめほとんどのベイキングには『plain flour』を使うようで、現地のベイキングのレシピには特別に『plain flour』に何かをくわえて『薄力粉』のようなグルテンの含有量に調整するといことはないようです。どうりで地元で売っているマフィンやケーキがどっしりと重いわけです。ベトナム系のパン屋さんで買うマフィンはふっくら軽く口溶けのよい生地だったのを考えると、こだわるお店はこだわっていたのでしょう。

 

ちなみに、日本のような『薄力粉』を求めるのならば、『plain flour』に『gluten free flour』といったグルテンを(ほぼ)含まない粉と配合することで自分で調整することが可能です。日本の薄力粉と『plain flour』とでは吸水率が違うので、完全に同じ使い心地にはなりませんが近づけることはできます。

『gluten free flour』はやや割高なので、『rice flour(米粉)』『potato starch/flour』やアジアン食品店で見かける『浮き粉』、またはオーガニックショップに売られているそば粉や粟粉などでも代用することができます。タピオカ粉でもいいですが、入れすぎるとふんわりをとおりこしてモチモチになってしまうので注意が必要です。同じことが、『もち粉』にも言えますし、こういった粉はグルテン含有率が低い分スターチ(でんぷん)の割合が高い粉です。ですので、あまり入れすぎると今度はそれはそれでバランスの悪い粉になってしまうので適量に調節するのが賢明です。

米粉でお団子ができるわけですから、いうまでもありませんね。

 

 

薄力粉をめざすのであれば、だいたいグルテン(たんぱく質)含有量を7-8.5%になるように調節するといいと思います。

そのたびに配合するよりは2キロ分くらいまとめて配合してしまったほうが計算が楽でいいですよね。

 

たんぱく質含有量7%程度の粉を作るには、おおよそ670gの『plain flour』に330gの『gluten free flour』を混ぜればいいかなと思います。

これではちょっとまとまりが悪く扱いづらいようならば、『plain flour』の量を増やしていってたんぱく質含有量を増やしていくといいでしょう。

 

まとめ

海外で日本と同じようにケーキが焼けるかというとなかなかうまくいかず、思いケーキが焼きあがって驚いた人も多いと思います。

パウンドケーキのようなシンプルなものは余計にその違いに驚かされるかもしれませんね。『plain flour』は英語圏ではベイキング全体に広く用いられている小麦粉ですが、日本の薄力粉とは勝手が違います。グルテン(たんぱく質)含有量に着目して調節してあげるここで口どけのよい日本の薄力粉で焼いたケーキに近いお菓子を焼くこともできますので是非チャレンジしてみてください。

次回は私のパンについて書いてみようと思います。コチラ

 

 

 

 

 

 

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